「とりあえず、やらせてよ。」
エッチな話ではありません(笑)。
新しいことを考えたとき、私はいつもそう思う。
私は、やってもいないのに「やらない」と決めることが、よく分からない。
うまくいかないかもしれない。
人が集まらないかもしれない。
売れないかもしれない。
クレームが来るかもしれない。
もちろん、そうなる可能性はある。
でも、それはまだ結果ではない。
全部、やる前の想像だ。
やってみなければ、いいか悪いかなんて分からない。
1.そもそも、良くしたいから考えている
新しいことを考えるのには、理由がある。
今より便利にしたい。
もっと効率を良くしたい。
売上を増やしたい。
お客様に喜んでもらいたい。
地域を盛り上げたい。
何でもいい。
そもそも、その何かを考えた時点で、今より少しでも良くしようとしている。
なのに、
「失敗するかもしれない」
「本当にうまくいくの?」
と、実行する前に止めてしまったら、結局何も変わらない。
考えただけでは、現実は1ミリも変わらない。
やらなければ、何も始まらない。
2.失敗しない方法なんて、たぶんない
私は、新しいことには失敗があって当たり前だと思っている。
むしろ、
失敗なしで、最初から全部うまくいく。
そんなことの方が珍しい。
でも、なかなか動けない人を見ていると、
「失敗しないと分かってからやりたい」
という思考なのかな、と思うことがある。
本当に人が来るのか。
本当に売れるのか。
クレームは来ないのか。
損をしないのか。
全部分かってから始めたい。
でも、新しいことなのだから、やる前に全部分かるはずがない。
失敗しない保証を求めること自体が、動けなくなる原因なのかもしれない。
私は逆だ。
失敗する可能性があることを前提に始める。
一回やってダメだった。
じゃあ、なぜダメだったのか。
変える。
もう一回やる。
またダメなら、また変える。
一回で辞めるから失敗になる。
成功するまで試して、修正して、繰り返すなら、途中の失敗は全部、成功するための材料になる。
3.PDCAは、回数とスピード
よく「PDCAを回す」と言う。
計画して、実行して、確認して、改善する。
でも、失敗を避けようとしすぎると、P=Planばかりが大きくなる。
調べる。
会議する。
リスクを考える。
もう一度検討する。
そして、D=Doがいつまで経っても来ない。
私は、完璧なPDCAを一回回すより、多少荒くても何回も回した方がいいと思っている。
まずやる。
違った。
直す。
またやる。
また違った。
また直す。
PDCAは、きれいさより回数。
そして、回数を増やすにはスピードが必要だ。
早くやれば、早く失敗できる。
早く失敗すれば、早く修正できる。
その分、正解に近づくのも早くなる。
最初から正解を当てる必要なんてない。
私は、失敗の回数を減らすことより、修正できる回数を増やしたい。
4.北郷東商工会の会長になった時
北郷東商工会の会長になった時、私はトップダウンで進めたいと伝えた。
前会長は、どちらかというとボトムアップ型だった。
役員会で話し合い、みんなで決める。
それ自体が悪いとは思わない。
ただ、役員会で一度決めたことでも、住民からクレームが入ると撤回することがあった。
私は、そこに違和感があった。
何か新しいことを始めれば、全員が賛成するなんてことは、まずない。
反対意見が一つ出るたびに撤回していたら、結局何も変えられない。
だから私は、
まず決める。やる。結果を見る。
問題があれば修正する。
本当にダメなら、その時にやめればいい。
その考え方が合わず、離れていった人もいた。
失敗を恐れる人からすれば、私のやり方は危なっかしく見えたのかもしれない。
それでも私は、やる前の「うまくいかないかもしれない」より、やった結果を見て判断したかった。
北郷東郷土祭りもそうだった。
地域のお祭りは、どこも担い手不足が大きな問題になっている。
白石区周辺でも、人が足りず、今まで通り続けることが難しくなっている地域行事はある。
だったら、今までと同じやり方だけにこだわる方が危ない。
そこで私は、専門学校の学生さんをアルバイトとして雇い、お祭りの売り子をお願いすることを考えた。
すると、
「なんでも金で解決しようとするな」
というクレームも来た。
でも、学生さんに仕事をお願いする。
働いてもらったら、きちんとお金を払う。
私は、それの何が悪いのか分からなかった。
地域の人の善意やボランティアだけに頼り続けて、担い手がいなくなり、お祭りそのものがなくなる。
そのためにお祭りで収益を上げればいいだけで、
それより、若い人にも参加してもらい、働いた分の対価を払い、新しい形で続けていく。
まず一回やってみればいい。
ダメなら直せばいい。
実際にやってみると、うまくいった。
今では学生さんの側から声をかけてもらえるくらいになった。
そして今年の北郷東郷土祭り。
会場を見て、
「人、入らないんじゃないか? なんだこの行列?」
と思うくらい人が来ていた。
あの時、
「前と違うから」
「クレームが来たから」
「失敗するかもしれないから」
とやめていたら、この結果が良かったのか悪かったのかすら、分からないままだった。
別に、「だから私が正しかった」と言いたいわけではない。
大事なのは、
やったから、結果が分かった。
ということだ。
5.失敗ゼロを目指すと、何も始まらない
失敗しないことを目標にすれば、一番確実なのは何もしないことだ。
何もしなければ、新しいクレームも来ない。
お金も減らない。
誰かに反対されることもない。
大きな失敗もしない。
でも、何も良くならない。
私は、失敗すること自体はそれほど怖くない。
失敗したら理由を考える。
変える。
もう一回やる。
失敗をなくすのではなく、失敗しても直せるようにしておく。
その方が現実的だと思っている。
そして、失敗を早く経験し、修正する回数を増やした方が、結果として成功にも早く近づける。
やらなければ、失敗もしない。
でも、成功もしない。
新しいことを考えたなら、まず一回やってみる。
結果を見る。
考える。
変える。
またやる。
その繰り返しの先にしか、答えはない。
だから私は、これからもたぶん言う。
とりあえず、やらせてよ。
今日の思考のクリーニング
「失敗を避けることと、何も変えないことは、同じになっていないだろうか。」
思考を、クリーニングする場所。
次回、【市川思考録 #8】
未来は、先に予約してから追いつけばいい。













