シミが付いたので応急処置で、水をつけて落としたら
色まで剥げた 白くなったと当店に依頼されました。
正面から見てもなにも変化はないんですが・・・
角度を変えるとものの見事に脱色しています。
これはフィブリル化と言いまして、染み抜きではもう直せませんので
色掛(色補色)にて修正しました。
3cm×3cmで3,000円(税別)となります
※お品物によっては処理できない場合もございます。
フィブリル化とは、
繊維の中のフィブリル(小繊維)が摩擦によって表面にあらわれて毛羽立ち、ささくれる現象です。
ネクタイや着物・シルク繊維は濡れた状態で摩擦するとなりますので気をつけてくださいね
フィブリル化とは?
フィブリル化(Fibrillation)とは、繊維の表面が摩擦などの影響で毛羽立ち、極細の繊維(フィブリル)が表面に現れてしまう現象です。
特にシルクやレーヨンなどの繊細な素材でよく起こりやすく、以下のような原因で発生します:
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擦って汚れを取ろうとしたときの「摩擦」
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着用や保管時の繊維同士のこすれ
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濡れた状態でのこすれ(濡れた繊維は特に弱くなります)
見た目の変化
フィブリル化が起こると、以下のような変化が見られます:
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表面が白っぽく見える(光の乱反射のため)
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生地にムラが出て、ツヤ感や滑らかさが失われる
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柔らかさや高級感が損なわれる
修復はできるのか?
残念ながら、フィブリル化した繊維自体を元のなめらかな状態に戻すことはできません。
ただし、表面が白っぽくなって目立つ場合は、「色補色(いろほしょく)」という方法で目立たなくすることは可能です。
この方法は、
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特定部分に色を乗せて補う処理
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一時的に美観を回復できるが、洗浄により色が落ちることがある
という点をご了承いただいたうえで、お預かりさせて頂いております。
また、今後の参考として、以下の点をぜひご留意ください:
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絶対に濡らして擦らないでください。おしぼりで拭くのは一発アウトでフィブリル化します。
摩擦によってフィブリル化が進行し、繊維が白く毛羽立ってしまいます。 -
一度フィブリル化してしまうと、元のシルクのなめらかさやツヤ感は戻せません。
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万が一汚れてしまった場合は、ご自宅で無理に触らず、できるだけ早く当店へご相談ください。適切な方法で対処いたします。