シルクネクタイをこすったら白くなった!?原因は「フィブリル化」でした
「シルクのネクタイについたシミを拭いたら、白く変色してしまった…」
このようなご相談、クリーニング店には意外と多いんです。
これは“フィブリル化(fibrillation)”と呼ばれる現象で、繊維の表面が摩擦で毛羽立ってしまい、白っぽく見える状態のこと。
特にシルク素材は繊維が非常に細くデリケートなので、軽いこすれや水分との反応でもすぐにフィブリル化が起きてしまうのです。
なぜ白く見えるの?
フィブリル化が起こると、繊維がササクレ立った状態になります。
この毛羽立った部分が光を乱反射させるため、本来の色味が失われて「白く見える」ようになります。
これは漂白されたわけではなく、“繊維の構造的な損傷”による見た目の変化です。
家で直せる?
残念ながら、フィブリル化したシルクを家庭で元通りに戻すことは非常に難しいです。
アイロンを当てても、毛羽立ちを押しつぶすだけで、完全には直りません。
逆に熱による変色やツヤ抜けのリスクもあるため、下手に手を加えるとかえって悪化する可能性もあります。
対応方法は?
イチカワクリーニングでは、**専用の溶剤と工程を用いた“フィブリル抑制仕上げ”**を行い、ダメージを最小限に抑える努力をしています。
完全に元通りにはならないですが、着用できるレベルくらいには修復できます。
「諦めかけたネクタイが復活した!」というお声も多くいただいています。
ネクタイが汚れても、まず“こすらない”こと!
汚れたらまず何もせず、クリーニングに出す。
汚れが気になるという場合は、こすらず乾いたティッシュやハンカチで軽く押さえるだけ。
その後、できるだけ早めに専門店に相談するのがベストです。
大切なネクタイ、こすってダメにする前に、イチカワクリーニングへお任せください。