店長ブログ

鹿角販売の原点と『鹿の王』への夢。保管庫が一杯になった今、伝えたいこと。

お久しぶりです、イチカワクリーニングの市川です。 今日は本業のクリーニングの話ではなく、私のもう一つのライフワークである「鹿角(しかつの)」販売について、少し真面目なお話をさせてください。

久しぶりにブログを書こうと思ったのは、ある意味で嬉しい悲鳴、ある意味で非常に切実な岐路に立ったなと思ったからです。

なんと、鹿角の保管庫が、たったワンシーズンで一杯になってしまいました。

言葉で説明するよりも、まずはこの写真を見てください。

これが、ワンシーズンで積み上がった「現状」です

 

反対の角度から

かつては「手に入らない」と嘆いていた鹿角が、今では私の手元に山のように買取依頼を頂いております。

ハンター様や猟師様とのご縁を大切にし、北海道の資源を無駄にしないためにも、可能な限り買い取ってきた結果です。

始まりは一本の角と、道の駅での落胆

私が鹿角の販売を始めたのは2016年のこと。きっかけは、盲導犬候補の子犬を預かって育てる「パピーウォーカー」のボランティアをしていた際、知り合いのお肉屋さんから「市川さん、これワンちゃんに良いよ」と一本の鹿角を貰ったことでした。

愛犬に与えてみたところ、その食いつきと良さにビックリ。自分でも予備を買おうと必死に探して辿り着いたのは遠く離れた「道の駅」でしたが、そこでまた驚きました。

「……高い。高すぎるだろ!」

手に入れるのが難しくて、しかも異常に高い。 「だったら、自分が適正価格で届けられる仕組みを作ればいいんじゃないか?」 そう思ったのが、全ての始まりでした。

「ビジネス」のためにボランティアをしているのではない

ここで一つ、はっきりとお伝えしたいことがあります。

よく「ビジネスのためにボランティアをしているのか?」と思われることがありますが、それは逆です。

ボランティアをしていたからこそ、この鹿角ビジネスが生まれたのです。

私はこれまで4頭のパピーを我が家で育ててきました。私の人生の根底にあるのは、自分よりも他者の利益を優先する「利他(リタ)」の精神、すなわち社会貢献です。

その想いは、私にとって揺るぎない信念です。

社会に貢献したいという純粋な想いが先にあり、それを継続可能な形にするために「ビジネス」という手段を選んだに過ぎません。

その責任感から、「愛玩動物飼養管理士」の資格も夫婦で取得しました。

単に売るだけでなく、プロとしてワンちゃんの幸せに責任を持ちたいと考えたからです。

2016年当時、楽天市場で「犬のおもちゃ 鹿角」と検索しても、ヒットするのはわずか15件ほどでした。

それが今や、検索結果は314件。

全国放送の「坂上&指原のつぶれない店」でも紹介され、鹿角は今や犬のおもちゃの定番になりました。

札幌から世界へ。『鹿の王』に俺はなる!

私のバイブルと言える小説があります。上橋菜穂子さんの『鹿の王』です。過酷な運命の中でも誇りを失わず、他者のために生きる主人公の姿には、経営者としても一人の人間としても深く共鳴します。

どうせやるなら、中途半端なことはしたくない。

1.北海道中の鹿の角を買い集めるインフラを作る。

2.北海道の鹿角ブランドを確立する。

3.北海道の鹿角を「世界」へ届ける。

札幌から『鹿角王』を目指して、本気で世界を見据えて奮闘中です。

 

 

私が「買い取る」ことにこだわる理由と、直面する「壁」

 

おかげさまで弊社の鹿角は、楽天ランキング420週1位、レビュー数はぶっちぎりの2,782件という支持をいただけるまでになりました。市場は広がり、うちの真似をして「拾った角」や「半割り」を売る人も山ほど増えましたが、私は「正当な価格で買い取る」ことにこだわります。私が大切にしているのは、ハンター様、飼い主様、そして自社の三者が納得する「三方よし」の精神です。

特に、命がけで北海道の環境を守るために有害鳥獣駆除にあたるハンター様や猟師様の活動は、実のところボランティアに近いのが現状です。だからこそ、私は副産物で以前はゴミだった角を「買い取る」ことで直接支えたいのです。

これが北海道の資源を循環させるビジネスとしての私の目指すべき王道です。そして、その利益の一部は「北海道盲導犬協会」への寄付や、子供たちに向けた「盲導犬啓発教室」の開催へ還元しています。

一本の鹿角から始まったご縁を、社会全体の笑顔に繋げていきたい。だからこそ、あえて厳しいことも言わせてください。

市場が大きくなるにつれ、うちの商品ページで語っているような耳障りの良い言葉だけをそっくり真似て、ただ山で拾ってきた角を売って商売をしている人が本当に増えました。確かに、拾ってきたものなら原価ゼロなので儲かるでしょう。しかし、ハンターさんへの還元も社会への還元もないそれは、ただ自分の利益のためだけにやっている「利己」に過ぎません。私達の鹿角を選び、買い続けてくださっているお客様は、きっと私のこの不器用な想いやこだわりに共感してくださっている方々だと思います。だからこそ皆様から託されたその想いを決して裏切ることなく、私はこれからも当然の責任としてそれを背負い、札幌から『鹿の王』を目指して走り続けます。

 

【落ち角の買取をご希望の方へ】

最近、「山で拾ってきたから買ってくれ」と、ワンちゃんのおもちゃには到底できないような状態の悪い角(コケだらけ、欠損や劣化が激しいものなど)の持ち込みやお問い合わせが一部で見受けられます。
当店は「拾った角をお金に換える場所」ではありません。

私たちが買取を行っているのは、北海道の環境を守るハンター様・猟師様の活動を正当な報酬で支えるため。そして、「天然・自然の素材でありながら、犬のおもちゃとして圧倒的に優秀な鹿角」を世に送り出し、北海道の資源として社会循環させるためです。

「小遣い稼ぎ」感覚で、品質も社会循環への想いもない角をお持ち込みいただきましても、当店の『三方よし』の理念から外れ、商品化にも支障が出ます。
そのため、状態の悪い角(白化、緑化、欠損など)はどれだけ大きなサイズであっても「一律100円」での買取とさせていただいております。高額換金には沿えませんので、あらかじめご了承ください。

保管庫が一杯になった今、伝えたいこと

 

しかし今、私は経営者としてシビアな判断を迫られています。冒頭でお見せした通り、保管庫が溢れかえるほどの供給(買取依頼)に対し、需要(販売)が追いつかなければ、この「三方よし」のサイクルが止まってしまう危機にあります。北海道の資源を誇りに、関わる人すべての幸せに繋げ続けるために、今どう動くべきか。

あの倉庫の鹿角の山は、嬉しい悲鳴ではなく、今の私の、そして北海道の鹿資源を巡る、非常に切実な「現実」そのものです。

この圧倒的な量を前に、次回のブログでは、今後の鹿角買取と販売をどう進めていくべきか、改めて皆さんにお伝えしたいと思います。

次回の更新を、ぜひお待ちください。

イチカワクリーニング 店長:市川 博基

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